すねている君は  
都留岩 加寿男
   不機嫌に すねている君は 
   寄れば去り 去ればすりよる子猫のよう 
    
   僕は 椅子にこしかけた 君の背後に立ち 
   うつむきがちに いやいやする君に 
   無言で 肩から胸へと 手を伸ばしていこう 
    
   君が 目をつむったまま 半分だけ振り向いて 
   なにかを 言おうとしたら くちづけをしよう 
   いままでで いちばんの 激しいくちづけをしよう 
    
   二人のために 変えていきたいことを 変えられない   
   そんな やるせない想いは きっと 僕も おなじ 
   でも 君には僕がいて 僕には君がいる 
    
   いつしか 椅子から 崩れ落ちながら 
   僕は君の 君は僕の 着ているものすべてを  
   剥ぎ取って ふたりは 獣になるのだ 
    
   喘ぎは声になり 
   声に喘ぎが重なる 
   この世の何もかもを 振り切り 消し去ろうとして 


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